サニブラウン準決勝敗退 号砲聞こえずスタート出遅れ“なんだこりゃ”
「陸上・世界選手権」(28日、ドーハ)
男子100メートルは日本勢3選手が準決勝で敗退した。
起こりうるすべてのことに対処できなければ、“人類最速決戦”への道は開けない。勝負の準決勝で、悪夢は繰り返された。
日本人初ファイナリストの最有力とみられていた日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=は10秒15の1組5着で敗退した。課題のスタートで痛恨の出遅れ。「音が全然聞こえなくて、マジかと」。中盤からはさすがの伸びを見せたものの届かず5位。2年前のロンドン大会でも準決勝でスタート後にバランスを崩して敗退。また鬼門を突破できなかった。「ずっとマイクの雑音がザァ~っと聞こえていて、そこから小さく“パン”と。『セット』までは聞こえたんですけど」と、頭をかいた。
それでもすぐに切り替えられるのが、この20歳の強さ。今季の個人戦はこれで終了。「終わった時は“なんだこりゃ”と思ったけど、今は全然大丈夫」と前を向き「中盤から後半の走りについては、より自信になった。戦えるレベルまできている」と、自らの立ち位置を分析した。10月5日からの400メートルリレーで待望の“リレー侍”デビュー。金メダル獲得を目指す。