貴景勝 稽古再開も左大胸筋に青黒い内出血「少しは良くなってる」も…
秋場所で左大胸筋肉離れの重傷を負った貴景勝(23)=千賀ノ浦=が1日、都内の部屋で稽古を再開した。秋場所で2桁星を挙げ、1場所での大関復帰を決めたが、千秋楽、12勝3敗で並んだ関脇御嶽海(出羽海)との決定戦で敗れた際、同カ所を負傷した。
左胸全体、脇下、上腕と広範囲に青黒い内出血が、まだまだ痛々しく残っていた。負傷後、たった9日。それでもまわしを締め稽古場に下り、四股、スクワットなど下半身強化に努めた。
「少しはよくなっている。治療に専念して。(患部の)色はひどいけどもっとひどかった。千秋楽2日後くらいは腫れがひどかった。内出血の出てないところが痛い」。痛みも症状も今はマシになった程度だ。
安静にして痛みや腫れが引けば、超音波や酸素カプセルの治療と段階を踏んでいく。5日から始まる秋巡業にも「出られたら出たい。巡業の空気に入るのが大事になる。親方に相談しながらやっていく」と意欲を見せた。
夏場所で右膝を負傷し、名古屋場所を全休し大関を陥落。2場所、リハビリを続けた思いをぶつけ、秋場所で大関に返り咲いた。その復活劇がまた暗転。試練に見舞われた。
「残念としか言いようがない。千秋楽に気の緩みはないし、仕方がない」と切り替えるしかない。御嶽海との決定戦はいつもの突きでなく、外側から突く形になった。そこを御嶽海にはね上げられて、左腕が後ろに引っ張られ、筋肉が断裂した形になった。
「いつもと違う突き方をした自分が悪かった。自分が原因。強くならないといけない。御嶽海関が優勝としたのは資質があったから。自分にはなかった。ケガを含め実力だから」と、受け止めた。
昨年、初優勝した九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の番付は大関。「ターニングポイントになった場所。無理はしないけど出るという気持ちでやりたい。出るつもりでやることが今は大事。その時はその時で考える。今は出ようとか出ないとか言っている場合じゃない。その時考えればいい。一生懸命直してやることやって気持ちを切り替えて。あと何十場所もやる。そういう気持ち。一生懸命やればチャンスは巡ってくる」と、やれることは尽くし、復活を目指す。