走り高跳び金候補・戸辺直人まさか予選落ち 踏み切り安定せず「分析力鈍っていた」
「陸上・世界選手権」(1日、ドーハ)
男子走り高跳び予選が行われ、世界ランク1位で、メダルの期待が懸かった戸辺直人(27)=JAL=は2メートル26で全体14位に終わり、上位12人が進む準決勝進出を逃した。佐藤凌(25)=東日印刷=が2メートル22で全体22位、衛藤昴(28)=味の素AGF=は2メートル17で全体25位だった。男子400メートルではウォルシュ・ジュリアン(23)=富士通=が日本歴代4位となる45秒14の自己ベストで2組2位となり、準決勝進出を決めた。
これがメダルへの重圧だろうか。世界ランク1位で、日本記録(2メートル35)保持者の戸辺は2メートル26はクリアしたものの2度失敗したことが響き、試技数で14位に。優勝候補の1人に挙げられていた27歳が、日本初の決勝進出どころかまさかの予選落ちとなった。敗退後はベンチに腰を掛けたままあぜん。「何も考えられない感じだった」。うつろな視線がドーハの夜空をさまよった。
「調子は良かった」。ただ、踏み切りが安定せず。2メートル26の3本目は好ジャンプを見せたが、2メートル29では再び不安定となり、クリアできなかった。「どこが悪かったのかは分かっていた。ただ、分析力がいつもより鈍っていた」と悔やんだ。
1年後はより重圧の懸かる東京五輪。「何ができるか考えたい」。突きつけられた現実を見つめ、はい上がる。