“京大卒ウォーカー”山西利和、光った判断力 7キロで飛び出し、消耗戦制す
「陸上・世界選手権」(4日、ドーハ)
男子20キロ競歩が行われ、京大工学部卒業の山西利和(23)=愛知製鋼=が1時間26分34秒で同種目では日本勢初の金メダルを獲得し、東京五輪代表に内定した。50キロ競歩の鈴木雄介(富士通)に続き、日本勢が競歩で頂点に立った。池田向希(21)=東洋大=が1時間29分2秒で6位、高橋英輝(26)=富士通=は残り500メートルでゴールを誤認し、10位に終わった。
判断が光った。5キロ過ぎに飛び出した中国の選手を追う形で、山西はペースを上げた。先頭に躍り出ても緩めずにそのまま独歩の形に。後続は4人の集団で追ってきたが、12~17秒の差をキープしながら終盤戦へ。「秒差は気にしていた。無理のない範囲でいって、自分の得意な(体力が)削れた中でのラスト勝負に持ち込もうと」。終わってみれば、そのまま15秒差で逃げ切り勝ちとなった。ゴール後、笑顔が少なかったのは「圧倒的な強さをみせたかった。今回は偶然逃げ切れた」と、もっと高いところに志を置いているから。
これで東京五輪代表に内定。京大卒のオリンピアンには1936年ベルリン五輪男子三段跳び金メダリストの田島直人氏がいる。「僕は二番煎じですから」。切れ味鋭い頭脳と歩きで、東京でも黄金ロードを歩き抜く。