男子テニスで世界ランク８位の錦織圭（２９）＝日清食品＝が５日、東京・有明テニスの森公園で森永製菓が主催したトークイベントに出席。右肘痛のため、同会場で行われている楽天ジャパン・オープンを欠場しているが、「だいぶ治ってきています。（医師の診断では）６週間テニスができないので、まだ４週目くらい。もう少し時間はかかるが、トレーニングは毎日やっているので順調だと思う」と報告した。

　わずかな時間だったが、日本のファンの心をわしづかみにした。イベント冒頭、強い日差しが当たっていた黒い椅子に座ろうとすると「熱っ」と高温のため思わず立ち上がり、“立ち話”に変更して笑いを誘った。子供からの質問コーナーでは「練習でつらいときはどうすればいいか」との問いに対し、「練習は基本つらいので好きじゃないが、やらないといけないのでやっている」と本音混じりにおどけたが、「スポーツでも仕事でも、つらいことをしないとなかなか大きな目標は達成できないので。“我慢”という言葉は好きじゃないけど、頑張って楽しんで」と錦織らしいエールを送った。

　同大会には世界ランク１位のジョコビッチ（セルビア）が初めて出場しており、「もちろん対戦したかった」と錦織。「（ファンの）皆さんにとっても世界１位のテニスを見られるのはいい経験になるのではないかと思います。彼の強さは別格なところがある。フェデラー、ナダルと次いで彼の強さはすさまじい。（２回戦の）添田（豪）君との試合も見たが、添田君もいいプレーしていたが、それを上回る強さだった」と改めて感嘆の声を挙げた。