【朝原宣治の目】他国レベルアップ、走順見直し必要かも
「陸上・世界選手権」(5日、ドーハ)
男子400メートルリレー決勝が行われ、多田修平(23)=住友電工、白石黄良々(23)=セレスポ、桐生祥秀(23)=日本生命、サニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=で臨んだ日本は37秒43のアジア新記録で3位に入り、2大会連続となる銅メダルを獲得した。銀メダルだった16年リオ五輪の37秒60を上回り、来年の東京五輪へ弾みをつけた。米国が今季世界最高の37秒10で12年ぶりの優勝。前回王者の英国が37秒36で2位だった。
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日本はさほどミスがなく、アジア新記録でしたから、上回った米国と英国が強かったです。2カ国のバトンがつながると、力の差はあると感じました。
多田選手から白石選手へのバトンパスはぴったり。練習している回数や経験がものを言いました。桐生選手からバトンを受けたサニブラウン選手もきっちり走りました。
日本のバトンパスは一番上手です。ただ、米国はメンバーがすごく、完璧なバトンパスをされるとつらいものがあります。他の国もリレーへの練習頻度を増やしています。
東京での金メダルには、まず選手が絶好調で臨むこと。データ的には1走は山県選手のときが速く、今回2走として白石選手がいい走りをしました。走る順の相性もあるし、変えたら相乗効果があるのかなど、見直しも必要かもしれません。
今大会、日本の選手は全体的にタイムを上げています。ただ現実は厳しく、世界のレベルは上がっています。簡単に決勝に進んだり、メダルを取ることはなかなか難しいと感じています。(08年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰」)