山本草太 度重なるケガ乗り越え首位発進 「順位も得点もびっくり」
「フィギュアスケート・フィンランディア杯」(11日、エスポー)
男子ショートプログラム(SP)で山本草太(19)=中京大=が4回転のサルコーとトーループを決め、自己ベストで今季世界5位の高得点となる92・81点で首位に立った。2018年平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=は4回転フリップなどの着氷がやや乱れ、92・28点で2位。女子SPで横井ゆは菜(19)=中京大=は65・09点で3位につけた。今季シニアデビューで16歳のアリョーナ・コストルナヤ(ロシア)が77・25点で首位。12日に男子フリー、13日に女子フリーが行われる。
見る者の心を引き込んだ。気品のある滑りに、軽やかなジャンプ。ジュニア時代から将来を嘱望された山本が大けがを乗り越えて、まばゆい輝きを放った。2種類の4回転ジャンプを鮮やかに決め、SPの自己ベストを10点近く更新。宇野を抑えての首位発進に「順位も得点もびっくり」と目を丸くした。
「エデンの東」の音楽に合わせて4回転サルコーと2回転トーループの2連続ジャンプで幕を開け、9月の国際大会では回転が抜けた4回転トーループもしっかりと決めた。92・81点は今季世界5位の高得点となった。
15年世界ジュニア選手権で銅メダル、16年冬季ユース五輪で金メダルを獲得。当時から4回転を跳び、次代を担うホープとして期待を集めた。だが、練習での骨折や疲労骨折で右足首の手術を3度も受け、苦しんだ。完治した今は「昨季よりジャンプの練習を増やした」と自信も深まっている。
山本にとっては出発点に戻ったに過ぎない。「一戦一戦が大事」と語る19歳が、フリーでも華麗に舞う。