東京国際大・伊藤が予選会で日本人トップ“マック好き”も「いろいろ甘い」と意識改革

5位でゴールした東京国際大・伊藤達彦(右)=国営昭和記念公園(撮影・中田匡峻)
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 来年1月2、3日、に行われる箱根駅伝の予選会が行われ、10大学に与えられる本戦の出場権をかけて43校が出場した。各チーム12人がハーフマラソンを走り、上位10人の合計タイムで10チームが箱根切符を獲得。東京国際大は合計10時間47分29秒の1位で、3年連続4度目の本戦出場を決めた。

 エースが本領を発揮した。7月のユニバーシアード大会ハーフマラソン3位の伊藤達彦(4年)が、日本人全体トップの1時間2分34秒でゴール。「日本人トップは狙っていたので素直にうれしいです」と声を弾ませながらも、「これはまだ通過点なので。(翌週の)全日本大学駅伝では区間賞を目指し、箱根駅伝では2区で区間賞を狙いたい」とさらなる高みを見据えた。

 予選会での日本人トップは自ら課していた目標だった。7月にイタリア・ナポリで行われたユニバーシアード大会ではハーフマラソンで銅メダルを獲得したものの、同じ日本勢の相沢晃(東洋大)が優勝し、中村大聖(駒大)が2位。3月の学生ハーフマラソンでも同じ顔ぶれで同じ順位だっただけに、「差が縮まってないんだな」と悔しさが募った。

 ユニバーシアード大会遠征中は、相沢をはじめ他のハーフマラソン男女代表選手と話す機会が多くあったが、「(自分は)いろいろ甘いな」と痛感させられたという。

 まず思い当たったのが食事への意識の低さだった。以前は好きなものを口にする生活を送り、「マックとかが好き。(ハンバーガーに)タンパク質が入っているし…」とジャンクフードも気にせず頻繁に食べていたが、夏からは栄養やカロリーを考えたメニューを取るようになった。“マックの誘惑”に負けそうなこともあるが、「欲に負けているようではメンタルでも負ける」と言い聞かせて、かき消しているという。

 以前は気にしていなかった体重計にも毎日乗るようになり、52キロがベスト体重だと気づいてキープしている。9月の関東インカレでは1万メートルで23位と精彩を欠いたが、「今思えば(体重が)55キロくらいあって調子がよくなかった。反省」と恥ずかしそうに振り返った。

 練習での意識も高くなり、夏合宿では暑さの中で1日40キロ走り込むなど柱としてチームを引っ張った。大志田秀次監督は「夏場は暑くてもやらなきゃいけないと、競技に対する姿勢が変わった。自分がやらなきゃいけないという責任感が出てきた」と目を細め、日本人トップという結果にも「(伊藤は)勝つ力はあるけど勝ったことがない選手だったので、勝ったことは大きな自信になるのでは。今後につながる」と期待を込めた。

 翌週の全日本大学駅伝、そして年明けの箱根駅伝でもエースとしての期待が懸かる。伊藤は「(今回の日本人トップ&チームの1位通過で)てんぐになっていたら上にはいけない。これも通過点と思って、慢心せずに次につなげたい」と、他大学に負けないエースへの成長を誓った。

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