筑波大26年ぶり箱根 クラウドファンディングで部費捻出!いだてん帰って来た
「箱根駅伝予選会」(26日、陸上自衛隊立川駐屯地発、国営昭和記念公園着)
43校が参加し、各校上位10人までの合計タイムで争われた。1位の東京国際大から10位の中大までの10校が本大会(来年1月2、3日)の出場権を獲得。筑波大が10時間53分18秒で6位に食い込み、26年ぶりの出場を決めた。山梨学院大は17位に終わり、34年連続出場はならなかった。本大会は前回総合優勝の東海大を含む10位までのシード校と、オープン参加の関東学生連合を加えた21チームが出場する。
6位に筑波大がコールされると、選手たちは大歓声で喜びを爆発させた。弘山勉監督は「うれしい。やっと高いハードルを越えられた」と26年ぶりの本戦出場に目を細めた。
長いブランクに終止符を打った。成長を支えたのはクラウドファンディング。筑波大は国立のため活動費が支給されず、活動資金は学生から徴収する部費のみ。資金を増やすため、15年に就任した弘山監督と大学の発案で始めた。資金は年間300万を集め、総額は約1200万円。合宿の回数も増え、合宿に帯同するスポーツトレーナーを雇うこともできた。
話題の大河ドラマ「いだてん」に登場する筑波大OB、故金栗四三氏にも助けられた。ドラマを受け、金栗氏の出身地の熊本県玉名市で後援会が発足。9月に行った合宿費の多くを負担してもらった。合宿では歴史館や墓地、金栗氏の生家を巡り、士気を高めた。駅伝主将の大土手嵩(3年)は「今年は注目度を追い風にできるし、行ければ面白いよねって話をしてた。ほんとになるとは」と目を丸くした。
資金に加え、ミーティングや目標管理シートの作成などの意識改革も鍵を握った。数少ない医学部生で、昨年駅伝主将を務めた川瀬宙夢(5年)は「2年間出られていた全日本大学駅伝に今年出られなくて、慢心がなくなった。3年生を中心に6月末からチームを変えようとした」と振り返る。
今では優勝常連校の青学大も09年に33年ぶりの本戦出場を果たした。これに次ぐ長いブランクを埋めたが、弘山監督は「やっとスタート地点」と気は緩めない。青学大のような強豪へ、多くの応援を力にして駆け上がる。