御嶽海、大関昇進ノルマに12勝掲げる「普通に優勝したい」年間最多勝も視界に…
日本相撲協会28日、九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の番付を発表した。先場所2度目の優勝を果した東関脇の御嶽海(出羽海)が福岡県新宮町の部屋で会見し、「10勝以上という数字を上げたい。12番取れるように」と、大関昇進への“ノルマ”12勝を大目標とした。
優勝した先場所が12勝、先々場所が9勝。九州場所で12勝を挙げれば、三役3場所で計33勝以上という大関昇進の目安に到達する。九州場所が正式な大関とりの場所ではないが、優勝を争い、ハイレベルな星数なら、昇進へのムードも高まる。
先場所は休場していた両横綱鶴竜(陸奥)、白鵬(宮城野)が戻り、大関陣も豪栄道(境川)、高安(田子ノ浦)、貴景勝(千賀ノ浦)と上位がそろった中で真価は問われる。
「普通に優勝したい」と2場所連続Vはもちろん目指す。その上で「三役になって2桁勝利が少なすぎる。2桁以上。(昇進目安の勝ち星)33もそうだし、もし今場所上がれなくても次の場所につながる数字にする」と、闘志を燃やした。
三役は17場所連続でキープ。大関に最も近いと言われる世代のけん引役ながら、後輩貴景勝には先を越された。「下からも来ている。抜かれないように。大関のイメージが付いていないから上がれていない。大関は雲の上の存在。考え直してやっていく。一番近くて一番遠い。一番考えさせる地位」と、もどかしい思いを抱えた。
だからこそ、昨年に続くチャンスを今度こそものにしたい。「上がる時は上がるし、上がらない時は上がれない。自分の相撲を取って、『強いなあ』と思ってもらえるように」と力を込めた。
1年の締めくくり。昨年も大関昇進が懸かった九州場所は7勝8敗と負け越し失敗した。秋巡業で積み重なった疲れが本場所にも残った。今年は秋巡業も後半は疲れを抜くことに専念。体重も通常より軽い170~172キロに押さえ、状態をキープ。「自分のペースでやれた」と、ここまでは順調に来た。
今年は45勝を挙げており、現在、小結阿炎(錣山)と並びトップ。初の年間最多勝も狙える。「アビちゃんには負けたくないな」と、初タイトルにも照準を合わせた。