朝乃山、同郷・NBA八村に「負けないように」念願の小結昇進で意気込み

 日本相撲協会は28日、九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。13年ぶり4小結となり、朝乃山(25)=高砂=が念願の新小結昇進を果たした。高砂部屋からは06年名古屋場所の朝赤龍以来。富山県出身は若見山、琴ケ梅以来、戦後3人目。近大出身は朝汐、宝富士以来、3人目。三段目付け出しデビューの力士では初めての三役となる。

 朝乃山は師匠の高砂親方(元大関朝潮)とともに福岡市内の宿舎で会見した。

 先場所は西前頭2枚目で10勝。「素直にうれしい。先場所は上位の勝ち越しが多かったので予想は(前頭)筆頭と思っていた。無事に上がれて良かった」と安ど。夏場所で初優勝しながら、三役はお預けだっただけに「(前頭の)上位で(勝ち越して)上がれたことを自信に変えていきたい」と力を込めた。

 米プロバスケットボールNBAで大活躍するウィザーズの八村塁(21)は同じ富山県出身。地元ではNBAで豪快デビューした八村に続いて、この日、朝乃山の新小結昇進で号外が配られた。

 「(八村は)年下だし刺激になっている。負けないように切磋琢磨(せっさたくま)して富山県を盛り上げたい」と意気込んだ。

 高砂親方は「左上手、右差しの形ができつつある」と成長を評価。一方で突き押しに対する苦手意識の克服を今後の課題に挙げた。「アゴを上げない、体を丸めて前に出る。その相撲が取れれば三役にはずっといる。8番は勝てる」とハッパをかけた。

 三役は通過点。朝乃山は「上の番付がある。上を目指して頑張りたい」と大目標の横綱を目指す思いは不変。師匠は「小結、関脇で2桁勝つことが大関という番付に近づくことになる」と話した。

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