小池都知事の皮肉でピリつく会場 IOC、組織委は態度軟化で説得方針も難航か…
20年東京五輪のマラソン・競歩会場の札幌への移転を協議する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会が30日、都内で始まった。IOCからはジョン・コーツ調整委員長、組織委から森喜朗会長、都から小池百合子知事、橋本聖子五輪相と関係団体の長らが顔をそろえたが、事前協議なしに札幌移転を「決定」したIOCに不信感を強める小池知事は冒頭の挨拶でラグビー日本代表のモットー「ONE TEAM」を用い、IOCのやり方を皮肉り対決姿勢を鮮明にして、改めて東京開催を訴えた。調整委員会は11月1日までで、札幌案を協議する4者の実務者会議も行われることが決まった。
小池知事が発した皮肉タップリの挨拶を、コーツ委員長、森会長は硬い表情を浮かべて聞いていた。コーツ氏は挨拶で「東京は大変な準備を行ってくれている。これはすべて東京の皆さんのおかげ。東京の人々に十分な説明をしたい」と、「決定済み」と切り捨てた25日の知事との会談とは一転し、丁寧な説明を行う方針を示した。森会長も「IOCは理解を得るための努力をお願いしたい」と、注文。説得に向けた流れを作ったが、その直後の小池知事の挨拶で会議場の空気はピリついた。
ただ、都が発表した都民へのアンケートでは88パーセントが移転に反対しており、小池氏も簡単には退けない状況は出来上がりつつある。コーツ委員長は「コンセンサスを得られずに日本を離れたくない」と述べ、同案については4者の実務者協議で、都を説得したい考え。小池氏も出席の意向を示したが、難航が予想される。