小池知事譲らん!絶対東京開催「ONE TEAM」連発 移転なら費用負担拒絶
20年東京五輪のマラソン・競歩の札幌移転を協議する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会が30日、都内で始まった。IOCからはジョン・コーツ調整委員長、組織委から森喜朗会長、東京都から小池百合子知事、スポーツ庁からは橋本聖子五輪相と関係団体の長が顔をそろえた。小池知事は冒頭のあいさつでラグビー日本代表のモットー「ONE TEAM」を用いつつ、改めて東京開催を訴え、IOCとの対決姿勢を鮮明にした。調整委員会は11月1日まで。札幌案を協議するIOC、都、組織委、政府の4者による実務者会議の開催も決まった。
会議冒頭、コーツ委員長、森会長に続いてあいさつに立った小池知事は、都との事前協議なしに札幌移転を「決定」としたIOCのやり口に、皮肉をタップリ交えてあいさつした。
13年の五輪招致成功から、ここまでの準備の道のりを語り「関係各所が『ONE TEAM』で進めてきた成果」と、開催中のラグビーW杯で史上初の8強入りと躍進した日本代表のモットーを用いて強調した後、今回の札幌案について言及。「残り9カ月となった中で事前の協議のないまま、突然の会場変更。大変な衝撃だった。極めて異例なこと。都民からも“開催都市とは何なのか?”という怒りの声がある。経緯、理由の丁寧な説明をお願いしたい。我々は『ONE TEAM』。信頼関係なくして、大会の成功はない」と“スクラム”が崩壊した不信感を表明し「開催都市の長、都民の代表として東京での開催を望みたい」と、改めて変更を容認しない考えを示した。会議後には移転の場合の費用負担について「都民の税金を支払う気はない」と、拒絶する考えを表明した。
札幌案はIOCのトマス・バッハ会長が、東京と気候が似ているとされたカタール・ドーハで行われた世界選手権で棄権者が続出した惨状を見て決断。組織委側はIOCの判断を受け入れる方針で、国も静観の姿勢を見せている。深読みすれば「ONE TEAM」はラグビー協会の前会長だった森氏への皮肉であり、「信頼関係なくして-」は橋本五輪相がJOC時代に強調していた「人間力なくして、競技力向上なし」の言い回しに似ており、“四面楚歌”の現状への皮肉もにじんだ。
IOCのコーツ委員長は「コンセンサスを得られずに日本を離れたくない」と述べ、同案については4者の実務者協議を開き、都を説得していく考え。調整委員会最終日の11月1日にはコーツ氏、小池氏、組織委の森喜朗会長、橋本聖子五輪相の4者トップ会談を報道陣に公開して開くことが決まった。都に費用負担が一切生じないことを明確にできるかどうかなどが、合意を形成する上での焦点になるとみられるが、難航も予想される。