「こけちゃいました」谷口氏 マラソン移転案に「環境と場所にどう合わせるかも勝負」
東京五輪のマラソン・競歩の札幌移転案に対して、1991年の世界陸上東京大会男子マラソン金メダリストで、89年の北海道マラソンも制している谷口浩美氏(59)が31日、日本テレビ系の生番組「情報ライブ ミヤネ屋」で、「競技者はその環境と場所にどう合わせるかというのも一つの勝負」と訴えた。
ドーハの世界陸上では暑さのため完走率が低く、IOCが札幌移転案を決めた要因になったとされるが、谷口氏は「1991年に東京で世界選手権があった時とはほぼ同じ温度と湿度なんですよね」と指摘した。
谷口氏が制した91年の世陸東京大会は9月1日開催。午前6時のスタート時点で気温26・7度、快晴だったことから、気温はレース中さらに上昇した過酷なレースだったと思われる。湿度71パーセント、完走率60パーセントは、ドーハの女子マラソンや男子競歩とほとんど同じ数字になる。
谷口氏は「あの(ドーハの)棄権者は、たぶん暑さ対策の準備ができていなかった選手が棄権と。ですから見方を変えると、競技者はその環境と場所にどう合わせるかというのも一つの勝負ですので、そこ(の視点)が少し抜けてるんじゃないかなと思いますね」と解説した。
谷口氏は8位入賞だった92年バルセロナ五輪で「こけちゃいました」という名言を残したことで知られる。