八村、本拠地デビュー 大声援受け自己最多23得点 日本語で開幕スピーチも
「NBA、ウィザーズ158-159ロケッツ」(30日、ワシントン)
NBAウィザーズのドラフト1巡目新人、八村塁(21)がホーム開幕戦となったロケッツ戦で35分31秒プレーして自己最多の23得点、5リバウンドを記録した。地元ファンの声援に応えてスリーポイントシュートを3本すべて成功させるなど、デビューから4試合連続2桁得点で存在感を示した。ロケッツのジェームズ・ハーデン(30)が両軍最多の59得点をマークした。
パーンと手を叩いて喜びを爆発させた。第2クオーター2分26秒。トップ左の位置でパスを受けた八村が8・2メートルの長距離砲を炸裂(さくれつ)させた。デビューから9本目で初めて成功させたスリーポイントシュート。「僕は絶対入るって分かってたので、気持ちいい感じでいつも通り打ちました」。第3クオーターにも2本を沈めた八村が自信満々にそう言った。
「ルーーーーーイ!」。地響きのような歓声が起こった。待望のホーム開幕戦。敵地3試合でチーム2位の1試合平均16・3得点&7・7リバウンドの新人を地元ファンが温かく迎えた。
「みなさん、こんにちは、八村塁です」
ティップオフ前のコート中央。リーダーのビールと並んで行った開幕スピーチはまさかの日本語だった。客席を埋めた日本人ファンへの誠意と感謝、そして、日本人であることへの誇り。「応援よろしくお願いします」。言語を理解できない米国人ファンからも大きな拍手を送られた。
本拠地初得点は開始4分だ。ペイントエリア右からジャンプフック一閃(いっせん)。その1分後にはミドルシュートを決めるなど、8分で8得点。第2クオーターのスリーポイントで4戦連続2桁得点とし、第3クオーター途中で自身初の20点台に乗せた。
両軍合わせて300得点オーバーの超乱打戦。苦戦が予想された強敵にチームは一時、12点をリードしたが、終了間際に力尽きた。「すごい悔しい負け方。もうちょっとできるところがあった」。得点王2回のハーデンには59点を許した。「分かんないですね、止め方が。考えられない世界です」。NBAの洗礼を受けた。
1勝3敗と苦しむチームにあって安定したプレーを続けている。同僚や首脳陣からの評価は高い。「それが一番うれしいですね。僕の活躍がチームの勝敗に関わってくる。しっかりとやっていかないといけない」。デビューからわずか4試合。八村が想像を絶する速さで成長している。