貴景勝、復活へ上々!40日ぶり関取衆との稽古再開 患部に不安なし8勝2敗
「大相撲九州場所」(10日初日、福岡国際センター)
左大胸筋肉離れの重傷から再起を期す大関貴景勝(23)=千賀ノ浦=が1日、福岡県大野城市の田子ノ浦部屋で二所ノ関一門の連合稽古に参加し、関取衆と40日ぶりに相撲を取った。見守った高田川親方(元関脇安芸乃島)の一喝で幕内輝(高田川)、阿武咲(阿武松)と真剣勝負モードにスイッチ。計8勝2敗と動きも上々で患部に幕内の圧力を受けても問題なかった。復活へ大事な関門をクリアした。
貴景勝が突然の“荒療治”も難なく突破した。秋場所千秋楽以来、40日ぶり関取との稽古再開でまずは同部屋の幕内隆の勝と“ならし運転”。4戦全勝としたところで高田川親方の怒声が飛んだ。
「同じ部屋でやるな。(隆の勝は)下がれ」。一門の連合稽古で同部屋力士で取る意味はない。同親方は「3番くらいと思ったら続けてたから注意した。怒ったわけじゃない」と言うが、この一喝で緊張感が高まった。
強制的に相手が変更。迎えた輝にはいきなり猛烈な当たりを受け、押し出されたが気持ちに火は付いた。踏み込み鋭く下から相手をはね飛ばし、一気に押し込み2連勝。阿武咲にも勝負モードで2勝1敗とした。
基礎運動で体は仕上がっていた。関取との稽古はいつでも可能だった。結果的に幕内力士の圧力を受けても患部に不安はなし。大事な段階を無事に突破した。
「負荷が違うから最初はどうかと思った。体はしっかり動いてくれた。左胸に痛みはない。圧力をかけて前に出る相撲ができている」と、自身に及第点を与えた。芝田山親方(元横綱大乃国)は「先場所、あれだけの相撲を取っているから心配ない」と信頼した。
先場所は12勝を挙げて1場所で大関に返り咲いた貴景勝。昨年初優勝した九州で今年も主役を張る準備は整ってきた。