東海大16年ぶりV アンカー名取逆転走!青学大振り切った
「全日本大学駅伝」(3日、熱田神宮~伊勢神宮)
27チーム(うちオープン参加2チーム)で争われた。1月の東京箱根間往復大学駅伝で初の総合優勝を果たした東海大が、5時間13分15秒で16年ぶり2度目の優勝を果たした。5区で先頭に立った東海大は、7区で青学大エースの吉田圭太(3年)に抜かれたが、最終8区の名取燎太(3年)が2秒差の2位から逆転して優勝に導いた。1分44秒差の2位に青学大、東洋大は5位だった。
東海大が16年ぶりに頂点に立った。昨年は7区で青学大に逆転され2年連続の2位に終わったが、今年は最終8区で抜き返した。両角速監督(53)は「『今年こそは』と臨みました。うれしいです」と目を細めた。
「黄金世代」と呼ばれる最上級生の主力4人を欠く中で、勝利の立役者となったのは三大駅伝初出場のアンカー名取だ。首位青学大に2秒差でスタートすると、4キロ付近で追いつき、最後は1分44秒差でゴールした。
「諦めずに今がある。良かった」。笑顔を咲かせた名取は、入学当初から捻挫やアキレス腱を痛めるなど、けがに苦しみ続けた。転機は今年1月までの3カ月。仲間が初の箱根駅伝総合優勝に沸く間も、「再生工場」と銘打った両角監督の厳しいトレーニングをこなした。同監督は「50キロを一度に歩かせたし、(神奈川・丹沢の)大山を6~8時間、何回も歩かせた」と振り返った。
努力は仲間の士気も高めた。4区の区間賞を獲った西田壮志(3年)は「苦しい故障も見ているし、思いを背負って走った」と名取の奮闘を力にした。
チームは来年の箱根駅伝で2連覇を目指す。歓喜の中でも指揮官は「リセットして、箱根へ向けて距離を走れる脚をつくって臨みたい」と気持ちを引き締めた。