朝乃山、貴景勝転がした 年間最多勝争いトップ並ぶ46勝
「大相撲九州場所・2日目」(11日、福岡国際センター)
新小結の朝乃山が大関貴景勝を上手出し投げで破り、三役以上で唯一の2連勝を決めた。この日は1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、2度目となる出場した関脇以上が総崩れする大波乱。前回は今年の夏場所11日目で、この場所で朝乃山は初優勝を飾った。吉兆データの後押しも受け、令和元年最後の場所の主役に躍り出る。
事実上の初日で大きな白星を挙げた。前日は横綱鶴竜のまさかの休場で自身初の不戦勝となった朝乃山。押し相撲の貴景勝に2度突っかけられたが、当たりをしっかり受け止め、いなしに乗じて右を差し、最後は左上手出し投げで転がした。
先場所の初顔合わせでは黒星を喫した年下の格上相手に雪辱。「しっかり踏み込めたと思う。いなしは頭に入っていたので、そこでうまく右をさせた。昨日に相撲を取れなくて緊張感がある中、自分の相撲を取れてよかった」と新三役での“初白星”に安どした。
この日は史上2度目の関脇以上が全敗。前回に総崩れした夏場所で朝乃山は令和初の優勝力士となっており、V2への吉兆といえる。また、これで御嶽海と阿炎に並ぶ年間46勝とし、令和元年の年間最多勝争いのトップとなったが「それは取っても取れなくても、うれしくも悔しくもない」と意識しなかった。
近頃は動画投稿サイト「ユーチューブ」でフジテレビ系バラエティー番組「IPPONグランプリ」をよく見るという。「相撲の時以外は相撲のことは考えない。毎日考えると変な考えになる。ちょっとでも忘れてリラックスする」と、精神面の癒やしになっている。
3日目は結びの一番で白鵬に挑戦。初対戦の名古屋場所では右四つから上手投げに屈した。「がっぷりでは勝てない。そうなったらまわしを切って横綱を慌てさせる。それだけです」と、“IPPON”を取りに行く。