66キロ級で五輪2大会銅の海老沼 73キロ級でV 東京五輪まだあきらめない

表彰式で金メダルを手にする海老沼匡(中央)=丸善インテックスアリーナ大阪(撮影・高部洋祐)
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 「柔道・グランドスラム大阪大会」(23日、丸善インテックアリーナ大阪)

 男子73キロ級決勝は、66キロ級で五輪2大会連続銅メダルの海老沼匡(29)=パーク24=が、17年世界選手権金メダルの橋本壮市(28)=パーク24=に9分4秒、横四方固めで一本勝ちし、初優勝。66キロ級を含めれば、09年大会以来の優勝を飾った。

 一瞬の隙を逃さなかった。1分6秒、橋本に指導が与えられ、4分には海老沼に指導。延長に突入し、決め手を欠く展開が続いたところで、橋本が仕掛けた。そこを逃さず、相手の体勢を崩して、押さえ込んだ。

 16年リオデジャネイロ五輪後に階級を変えて以降、73キロ級ではなかなか勝てなかった。「勝ちきれない大会が続いていた。泥臭くてもいいから勝ちたい気持ちだった。素直にうれしかった」と振り返った。

 相手の橋本には思い入れがあった。「橋本選手は特別で。強化選手じゃないところから橋本選手がパーク24に入ってきて、ぼくを慕ってくれた。しつこいぐらいに『今日は何をやりますか?』『今日はどこに練習にいきますか?』と言ってくれる選手だった。『この子強くなるな』と。慕ってくれる橋本選手と試合ができて良かった」と、しみじみと振り返った。

 この階級は、16年リオデジャネイロ五輪金メダリストで、世界選手権を3回制している大野将平(旭化成)が君臨。大野が10月下旬に左手人さし指を負傷し、今大会を欠場したため、対決は実現しなかった。

 直接対決で勝ち、五輪へのアピール材料にしたかった今大会。今後、どこかで実現するかもしれない大野戦について「長い試合になる。そういう試合になる。勝負をしっかりやっていきたい。大野選手との試合は、終わって(周囲から)『いい試合だったね』と言ってもらえることが多いけど、それはもう聞き飽きた。そんな中で、最後に一押しして、勝ちきれる選手になりたい」と、並々ならぬ意気込みを口にした。

 東京五輪の代表争いについて問われると、表情がさらに引き締まった。「ほぼないと思うけど、まだ代表が決まったわけではない。決まらない限り、ぼくはぼくで大野であったり、橋本であったり、上を脅かすような、そういう選手でありたい」と、あきらめない姿勢を強調した。

 来年2月に30歳になる。五輪2大会連続銅メダルのベテランは、今後の自身の柔道人生について「夢とか目標って、あきらめるのは簡単だと思う。ぼくは東京オリンピックが最後かな、と。そこに向けて突っ走っていきたい」と、ネバーギブアップの精神で戦い抜く覚悟を示した。

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