「トランポリン・世界選手権」（２８日、有明体操競技場）

　男女個人予選が行われ、女子Ｗ杯ランキング３位の森ひかる（２０）＝金沢学院大ク＝が自由演技２本の合計１０５・０６５点の３位で３０日の準決勝進出を決めた。土井畑知里（２５）＝三菱電機＝が１０３・９７０点の５位、佐竹玲奈（２４）＝アポロメディカル＝が１０３・３８０点の６位で予選通過。Ｗ杯ランキング６位の宇山芽紅（２３）＝スポーツクラブ　テン・フォーティー＝は１０３・３５０点の７位で日本女子４番手となり、１カ国最大３人の準決勝に進めなかった。日本男子３選手も予選を通過した。今大会で決勝に進んだ日本人最上位選手が東京五輪代表に内定する。

　１年後、東京五輪が行われるアリーナのこけら落としで、女子のエースが“顔見世”からしっかりと存在感を見せつけた。森は１本目、２本目とも高さと安定感のある跳躍で、きっちりと予選突破。「いや～緊張しましたね。（心臓が）ドクドクという感じではなく、足にきてる感じ。“落ち着け、落ち着け”って言い聞かせてました」と人なつっこい笑みとともに、胸をなで下ろした。

　選手入場の際には、この日のレオタードのモチーフだった“歌舞伎”にちなんで、日本チーム全員で見得を切るポーズを披露。「楽しかった」。この日のためにネイルも歌舞伎風にした。朝から大物ぶりも発揮した。いよいよ大会が始まるこの日、いきなり１０分の寝坊。「６時３５分にアラームを掛けていて、同部屋の芽紅（宇山）ちゃんが６時３０分に掛けていたのが鳴って、５分長えなって思っていたら、４５分になっていた。“ヤベッ”と」と、笑って振り返った。東京都足立区出身。地元開催の大一番を自然体で満喫している。

　決勝に進出した日本勢最上位選手が五輪切符を手にする。３０日の準決勝は大一番。「一つ一つ意識していければいい」。１６年リオ五輪は年齢制限で出場できなかった。巡ってきた最高の舞台で、悲願の五輪代表を“襲名”する。