Vでも五輪枠は…クライミング代表が予選から帰国「海外選手から日本かわいそう、と」
東京五輪で新採用されるスポーツクライミングの日本代表が3日、フランス、トゥルーズで行われた五輪予選を終え、羽田空港に帰国した。男子では藤井快(27)=TEAM au=が優勝、楢崎明智(20)=TEAM au=が3位、女子は伊藤ふたば(17)=TEAM au=が優勝、森秋彩(16)=茨城県連盟=が5位と好成績。ただ、五輪出場枠を得られる6位以上をクリアしたものの、出場基準の解釈を巡って国際連盟と日本協会が係争中で、資格を満たすかどうかは不透明なままでの帰国となった。
国際連盟の解釈では8月の世界選手権の結果により、日本は男子2人(楢崎智亜、原田海)、女子2人(野口啓代、野中生萌)で代表が決定している。日本協会は世界選手権最上位選手(楢崎智、野口)は内定で、残り男女1枠は世界選手権、五輪予選などで出場枠を獲得した選手による国内選考会で決める基準を定めており、食い違いが生じている。
大会後に国際連盟が発表した五輪枠獲得選手からは、日本選手は除かれた。楢崎明は「海外の選手はまったく困ってなかった。ドイツなんかは(決勝8人に日本人2人で)予選通った時点で6位以上が決まったので、めちゃくちゃ喜んでいた。『日本人2人残ってくれてありがとう』と。『日本はかわいそう』と、何回も言われた」と、苦笑いで振り返った。
現状ではスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定を待つことしかできない。藤井は「6位以内に入れなかったらどうしようという恐怖心があった。それを超えられてよかった」と前を向き、伊藤も「優勝が目標だったので達成できてうれしい。自信につながる。最後にいい終わり方ができた」とすっきりした表情で話した。オフに入り、あとは天命を待つ。