羽生、夢の4回転半へ「頑張ります。そのつもりで」 3月の世界選手権で挑戦へ
「フィギュアスケート・GPファイナル」(8日、トリノ)
競技から一夜明けて取材に応じた羽生結弦(25)=ANA=が、世界でいまだ成功者のいないクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に3月の世界選手権(モントリオール)で挑戦する意思を明かした。
SPとフリーの間、6日の公式練習で初めて公の場で挑戦し、3度の転倒に終わった。世界選手権でのプランはあるか-。そう訪ねられた羽生は「頑張ります。そのつもりで」とまっすぐな目で答えた。
首位チェン(米国)に12・95点差をつけられ2位となったSP後、「正直、割と絶望していた」と羽生は振り返る。「99%勝てないんだろうなって。そう思わざるを得ないような状況だった」。そこから翌々日のフリーへ「ここで何かを残したい」。光として見いだしたのが、羽生が「王様のジャンプ」と語る4回転半だった。
ケガのリスクはもちろん、疲労が試合に影響する可能性もある。「コーチがいたらやらなかった」と苦笑いで振り返ったが、そのジスラン・ブリアン・コーチの現地入りが遅れていたという状況も、「自分だけで決められる今だからこそ、ここでやってもいいんじゃないか」と前向きにとらえ、「ほぼ試合を捨てるような覚悟」でトライした。
「跳べなかったけど、ここがまた、自分にとってのきっかけの地になると思う」と羽生。選考会である全日本選手権(19日開幕、代々木)を控えてはいるが、今大会の結果から代表入りは確実。今大会でついたチェン(米国)との差を埋めて逆転を目指すことはもちろん、夢のクワッドアクセルの完成も同時に追い求める。