ロシア、東京五輪&パラ除外へ ドーピング不正&データ改ざん問題で主要大会を4年間
世界反ドーピング機関(WADA)は9日、ロシアのドーピング不正に絡むデータ改ざん問題を巡ってスイスのローザンヌで臨時常任理事会を開き、ロシア選手団を東京五輪・パラリンピックや各競技の世界選手権など主要大会から4年間除外する厳罰処分を決めた。潔白を証明した選手のみ個人資格での東京大会出場を認める。
連帯責任の全面的な除外は見送る一方、2018年平昌冬季大会と同様に国としての参加や国旗の使用は認めない。
処分は過去最大級に重く、主要国際大会の開催や招致、ロシアの政府関係者や五輪・パラ統括団体幹部の主要大会参加も4年間禁じる厳しい内容となった。処分決定から21日以内にロシア反ドーピング機関(RUSADA)が異議を申し立てれば、判断はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に委ねられる。
RUSADAの改革状況を検証するコンプライアンス(法令順守)審査委員会は調査で認定した隠蔽(いんぺい)工作を「極めて深刻」と断じ、RUSADAを再び資格停止とする処分も決定。長引く混乱が日本開催の祭典にも暗い影を落としそうだ。
WADAは昨年9月、全容解明の鍵と位置付けていたモスクワ検査所の保管データ提供を条件にRUSADAの資格停止を約3年ぶりに解いたが、ロシア側は昨年末の提出期限を超過する間に、改ざんや捏造(ねつぞう)を図っていた。タス通信によると少なくとも145選手に改ざんが認められた。