苦境のザギトワへ巻き起こる引退論を、タラソワ氏が一喝「恥を知りなさい!」
フィギュアスケート女子の平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ(17)=ロシア=について、勝利から遠ざかる今季の成績からロシア国内では引退論も巻き起こる中、日本の浅田真央らも指導した名コーチのタチアナ・タラソワ氏(72)がそうした声を一喝したことが話題となっている。
ロシアメディアの「SPORT24」によると、タラソワ氏はそうした風潮を「恥を知りなさい!恥も良心もない冷酷な人たち」と、一刀両断したという。タラソワ氏は先日行われたGPファイナル後に「チャンネル1」の解説で「体形の変化の問題はある。スピード不足になっている」と指摘した上で「彼女は彼女自身と戦っている。彼女は克服するでしょう」と、女王の復活に期待を懸けていた。
GPファイナルでは、ザギトワはフリーで精彩を欠き、6人中最下位に終わった。トリプルアクセルや4回転を駆使する16歳のコストルナヤ、15歳のシェルバコワ、トルソワという同門の後輩たちが表彰台を独占。そうした状況からロシア国内では評論家、一部のメディア、ファンから「キャリアを終わらせるべき」という声が出てきている。「RT」によると、アイスダンスの06年トリノ五輪金メダリストのロマン・コストマロフ氏は、3位に終わったNHK杯後に「終わりにする時期を間違えない方がいい。彼女はすでにすべてのタイトルを取った。もちろん滑り続けることはできるが、その場合は結果を望まない方がいい」と、引退を勧めている。
また、「スポルトエクスプレス」は「3連敗の後、アリーナ(ザギトワ)には多くの選択肢がある」と題し、記事を掲載。ザギトワの今後について3つの可能性を予測した。1つは現役続行。もう1つは、“3新星”も指導するエテリ・トゥトベリーゼコーチの元を離れ、新たな体制での出直し。その中では「想像の域だが」と前置きした上で、日本を拠点にする可能性にも触れた。そして最後に休養と引退を挙げている。
ザギトワの次戦は欧州選手権や連覇の懸かる世界選手権の国内代表選考会となるロシア選手権(25日開幕・クラスノヤルスク)。注目を集める中、再び3新星と相対することになる。