これが新国立!記者が一足先に潜入 和のデザインで落ち着いた観戦のためのスタジアム
2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとして11月に完成した国立競技場の竣工(しゅんこう)式と報道陣へ向けた内覧会が15日に行われた。公開されたのは一部エリアに限定されたが、出来たてほやほやの新スタジアムを一足早く体感した國島紗希記者が、率直な感想をリポートする。
ついに完成した新国立。どのスタジアムでも足を踏み入れた一歩目は心が躍るが…。パッと広がる緑の芝と、青い空。柔らかな5色の座席がそれらを包み込む。「東京五輪、本当にやるんだ…!」。当たり前だが、それが私の第一声だった。
下から見上げた新国立はきれいで、確かに大きい。でも、案外普通のスタジアムだなとも思った。もちろん、和の雰囲気やぬくもりを意識した木の構造はすてきだが、とんでもなく斬新なデザインというわけではなく…。正直インパクトはやや欠ける。うん。安心感のあるデザインということか。さすがは和。
うわさの“高速トラック”は力を入れて踏むと沈む。ド素人の私でさえでもゴムっぽさを感じるほどだ。
すり鉢状に作られたスタンドは約6万席。最近の“熱狂”といえばラグビーW杯か。(脳内再生を試み)うん、圧巻の一言だ。降り注ぐ熱い声援はものすごい迫力(なはず)。それを味わえる選手はこの場所に立つ誇りを感じるはずだし、それでこそ五輪だと思う。
良かったのは4階席から見たフィールドが思いの外近かったこと。低層席の傾斜は緩く、球技向きではないかも?とも思ったが、予想をいい意味で裏切られた。きっと臨場感たっぷり。「お~!」と声が出たし、記念写真も撮ってしまった。
写真と言えば、5階コンコースからは東京タワーやスカイツリー、天気が良ければ富士山も見える。競技場外周には、旧国立競技場にあった野見宿禰(のみのすくね)とギリシャの女神の壁画も飾られていた。インスタ映えとは違う気がするが…。はいチーズ!それなりに楽しめた。
強く目を引く何かがあるわけではないが、落ち着いた、観戦のためのスタジアム。それが新国立なのかなと、寒さで体は凍えながら、温かな気持ちで帰路についた。