サニブラウン「個人あってのリレー」 400メートルリレー最優先の陸連方針に持論

 日本陸上連盟の年間表彰式「アスレティック・アワード」と理事会が16日、都内で行われ、理事会では東京五輪の100、200メートル代表選考基準について「個人種目は原則として1種目のみとする」とする選考要項が提案された。金メダルを目指す男子400メートルリレーをベストメンバーで臨むための策というが、サニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=らがこれに反論。今後議論を進め、来年3月までに方針を決定する。なお、最優秀選手賞にあたる「アスリート・オブ・ザ・イヤー」は男子50キロ競歩の鈴木雄介(31)=富士通=が選ばれた。

 選手が夢を追って何が悪いのか。陸連は理事会で東京五輪の100、200メートル代表選考基準について「個人種目は原則として1種目のみとする」とする選考要項を提案。これに対し、それぞれが思いを吐露した。

 サニブラウンは「ぶっちゃけで言うと、個人があってのリレーなので」と持論を展開。「あくまで自分は個人両種目でメダルを取るために日々練習している」とし「100、200やらせてもらった方が、リレーに対するモチベーションも大会へ向けて上がっていくと思う。個人種目を頑張った上で、リレーも手を抜かずに頑張るというスタンスでやりたい」と力強く語った。

 陸連はコーチには説明済みとしていたが、選手はやはりまっすぐだ。各種目に対する思いも当然強いし、自分の走りに対する自信もプライドもある。19年世界選手権で両種目に出場した小池祐貴(24)=住友電工=は「人によるんじゃないか。できる選手もいる。一括でルールを決めるより、個々で相談して決める方がいいと、正直僕は思う」と話した。

 また100メートルが専門の多田修平(23)=住友電工=は“リレー侍仲間”の戸惑いを真横で感じ「みんなリレーより個人種目を大事にしている。そういう選手の気持ちも少しは考えた方がいいのでは」と思いを代弁した。

 陸上競技はあくまでも個人種目。専門種目で個々が抱いた喜びや悔しさを集結させ、力にして走るのがリレーだ。全員が100%納得した上でスタートラインに立たなければ、金メダルなど見えないはず。心を1つにバトンをつなぐための選択が求められている。

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