宮原知子 女王奪還へ貫禄2位「70点にのってよかった」表現力にさらに深み
「フィギュアスケート・全日本選手権」(19日、代々木第一体育館)
世界選手権(来年3月・モントリオール)代表選考会を兼ねて開幕し、女子ショートプログラム(SP)で初制覇を目指す紀平梨花(17)=関大KFSC=はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で着氷が乱れたが、73・98点で首位に立った。4度優勝の宮原知子(21)=関大=が70・11点で2位、昨年覇者の坂本花織(19)=シスメックス=が69・95点で3位、樋口新葉(18)=明大=が68・10点で4位につけた。本田真凜(18)=JAL=は6位。世界選手権の代表は男女とも3人。女子フリーは21日に行われる。
少し大人びた魅惑的な表情で宮原は最後のポーズを決めた。エジプト調の異国情緒あふれる音楽に乗り、会場を魅了。冒頭のルッツ-トーループの連続3回転と、後半の3回転ルッツで回転不足の判定を受け、70・11点の2位発進と得点は伸びなかったが「正直回転不足かなって感じだったので、ギリギリ70点にのってよかった」と納得の表情でその立ち位置を受け止めた。
今夏から練習拠点をトロントへ移し、リー・バーケルコーチから指導を受ける。長時間の練習で自信をつけてきたタイプだが「量より質」に意識改革。異国の地での生活を経験し、武器としてきた表現力にもさらに深みが増した。「一皮むけたのでは」と問われると「毎年突っついて、今回やっと穴が開いたくらい」と笑った。
GPシリーズ2戦では「無駄に緊張してしまった」との反省から、6分間練習後一度靴を脱ぎ、再度履いて曲かけに臨む“練習試合”もトライしたという。フリーへ「楽しんで演技したい。落ち着いて、自信を持っていく」と宮原。2年ぶりの女王奪還を目指す。