羽生が非公認ながら世界最高得点でSP首位 復活の宇野が2位 高橋は14位
「フィギュアスケート・全日本選手権」(20日、代々木第一体育館)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、ソチ、平昌五輪2連覇の羽生結弦(25)=ANA=が110・72の高得点をたたき出し、首位に立った。国内大会のため国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自身の持つ世界最高記録を超える得点をマークした。
大会4連覇を狙う宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=も自己ベストの105・71をマークし、2位。3位はジュニアGPファイナルで日本男子史上4人目の優勝を果たした佐藤駿(15)=埼玉栄高=。後半に4回転トーループを決める勝負強い演技で、国内大会のため参考記録ながら“自己ベスト”の82・68点をマークした。バンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔(33)=関大KFSC=は65・95で14位だった。
羽生が4年ぶりの全日本選手権で貫禄を示した。冒頭の4回転サルコーを着氷させると、4回転トーループ-3回転トーループの連続ジャンプも成功。演技直後はスタンディングオベーションとなった会場にこたえるように、大きく一度うなずいた。
羽生は冷静に演技を振り返り、「とりあえずホッとしています。GOEを狙ってこういう構成にしたんですけど、4T3Tもいい出来だった」と納得。「プレッシャーのほうが大きかったが、プレッシャーは力なので」とうなずいた。
宇野も会心の演技を披露した。SPで今季初めてミスのない演技を見せ、105・71点。非公認ながら、自己ベストの104・87点を上回る高得点となった。冒頭の4回転フリップを着氷させて勢いに乗り、4回転-2回転のトゥループも成功。演技後に力強くガッツポーズを見せる、会心の演技だった。
不調から抜け出し、「今季は最初は地に足がついてなかったけど、ようやく一つ前のGPからスタートできて、今回の全日本で満足いく演技ができてうれしかった」と笑った。
高橋は来年からのアイスダンス転向を表明しており、これがシングルとして最後の大会。トリプルアクセルは回転が足りず着地ミス、トリプルルッツも転倒するなどミスが続いたが、果敢な挑戦に会場から拍手が降り注いだ。