「フィギュアスケート・全日本選手権」（２１日、代々木第一体育館）

　２２日の男子フリーを前に、公式練習が行われた。今大会を最後にアイスダンスに転向する１０年バンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔（３３）＝関大ＫＦＳＣ＝にとっては、フリーがシングルとして最後の演技。練習では４回転トーループを１本着氷させるなど、上々の内容で“ラストダンス”に向けて態勢を整えた。

　４回転については「（本番では）やらないです」と否定したものの、曲掛けの練習ではトリプルアクセルを２本とも成功させるなど、体の動きは良好。「疲れはあると思うけど、思った以上に体が動いた」と、充実の表情で会場を後にした。

　ＳＰではミスが多発したものの、ハードロックの「Ｔｈｅ　Ｐｈｏｅｎｉｘ」を全力で踊りきった。１４度目の出場で、自己ワーストの１４位に沈んだが、もはや順位は関係ない。第一人者の去り際として、氷上に何を残せるか。「フリーの方が練習はしてきている。何も考えずに楽しめたら」。シングル選手としてのフィナーレ。無心で舞う。