桐生祥秀“新国立”走った!2020人の一般ランナーを先導 ボルト氏らとリレーも
16年リオデジャネイロ五輪陸上男子400メートルリレー銀メダリストの桐生祥秀(24)=日本生命=が21日、東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる国立競技場でイベントに参加した。午前は、2020人の一般ランナーらとともにトラックを走り初め。夜は男子100メートル、200メートル世界記録保持者のウサイン・ボルト氏(33)=ジャマイカ=らと、チーム対抗リレーで約6万人の観客を沸かせた。
まっさらの感触を確かめるように、一歩を刻んでいった。桐生が、男子短距離のライバルたちのだれよりも早く、五輪本番会場のトラックに足を踏み入れた。「ここで走るんだな、ということを思って立っていた」。7カ月後への“デモ走行”を終えた顔は、充実感に浸っていた。
走り初めは午前11時過ぎ。ゲストらとともに、2020人の一般ランナーを先導して、1周400メートルをメモリアルラン。その後は、一般ランナーらを交えた対抗リレーを2回こなし、合わせて250メートルを駆け抜けた。
夜にはボルト氏らと、健常者、障害者、男女を交えた混合対抗リレーにも出場し、200メートルを走破。ほぼ半日、新装なった国立競技場の雰囲気を味わい尽くした。
「国立競技場に初めて入って、あと半年ぐらいたったら、本番がここである。そのためのイメージというか、ここで走るんだな、と思えるイベントがあったのは良かった」
両足に“高速トラック”の感触も植え付けた。新しい国立競技場のトラックはゴム製で反発力が高く、接地で安定感がある。前方への推進力を得やすいという特徴もある。印象について「堅いな、新しいな、という感じ」と口にした。
東京五輪に向けて「まずは日本選手権(来年6月25~28日、大阪)で五輪に出場する資格を得たら、すぐ(やってくる)。決勝に残って、メダルを獲得できるようにがんばりたい」と目標を掲げた。何にも代えがたい五輪会場での実体験。最高の予行演習を終え、さらにギアを入れていく。