厚底革命で激変の箱根路…7区間で区間新「出ちゃった」戸惑う選手も 青学大は順応

 「箱根駅伝・復路」(3日、神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場~東京・大手町)

 青学大が2年ぶり5度目の総合優勝を果たし、令和最初の箱根王者となった。総合タイムは10時間45分23秒の大会新記録。往路は5時間21分16秒の大会新、復路は5時間24分07秒だった。総合2連覇を狙った東海大は復路で5時間23分47秒の復路新記録をマークしたが、青学大から3分2秒引き離された2位に終わった。絶好の気象条件に加え、長距離界を席巻しているナイキ社の厚底シューズの影響もあり、全10区間のうち、7区間で区間新記録が出るという“超速の箱根”となった。

 塗り替えられた記録の数が異質さを色濃く映し出す。各区間、往路、復路、総合記録で生まれた新記録は実に20。前代未聞の超速レースに、東洋大の酒井監督は「箱根駅伝が1つ上のステージに入った。これまでオーバーペースだったものが今では当たり前。違う景色を感じた」と、振り返った。

 最終10区で区間新記録をマークした創価大の嶋津を除けば、個人の記録達成者のほとんどが、ピンクか左右色違いのナイキの厚底シューズを履いていた。カーボンファイバープレートによる推進力を得られ、足への負担が少ないとされる同シューズ。これまでであれば、突っ込み過ぎていると思われるハイペースで入っても、後半まで“足がもつ”。6区で区間新をマークした東洋大の今西。昨年卒業するまで最大のライバルだった小野田(当時青学大)の区間記録を上回ったが「出ちゃった感じ。小野田さんを超えたとは思っていない。一緒に走ってあの人の凄さを知っているので。小野田さんが今日は走っていたら、もっと速かったと思う。靴とかもあるので」と、複雑な表情を浮かべた。

 もちろん全員が靴の恩恵を受けられるわけではない。これまでの常識外といえるペースで入れるだけの練習を積み、そして本番で勇気を持てるか。区間新を3人がマークしながら、11年連続で続いていた3位以内を逃し、10位に沈んだ東洋大の酒井監督は「(厚底は)走り方がマッチしないとはまらない」と話す。その意味で、今回、厚底を駆使し、安定した成績を残した青学大の調整力が一枚上だった。8位に終わった駒大の大八木監督は「靴は多少あったかもしれないが、(青学大は)やっぱり強い。そこまで持ってくるコンディショニングの巧さがある」と、脱帽した。

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