白井健三 苦境を越え、取り戻した“らしさ” 難度を武器に「倍返し」
体操男子の16年リオデジャネイロ五輪団体金メダルメンバーの白井健三(23)=日体大大学院=が5日、神奈川県の日体大健志台キャンパスで20年の始動練習を公開した。
ついに突入した東京五輪イヤー。“ひねり王子”は、原点回帰で2大会連続五輪出場を狙う。昨季は春先に左足首、夏には左肩を痛め、13年以来、名を連ねてきた日本代表からも落選した。厳しくなった採点に合わせ、着地に囚われるあまり、誰にもできない技を駆使し圧倒する“らしさ”を失っていた。「色んな人に『昔みたいに適当にやればいいんだよ』と言ってもらった。去年は考えすぎていた。今年は考えずにまずやってみる。僕の技はほとんどが遊びから覚えたもの。そういう感覚を大事にしたい」。今季のテーマは「信」。「丁寧にできる人は日本にはたくさんいる。自分にしか担えない役割、立ち位置がある」と、意気込んだ。
同じく昨季、怪我に苦しんだエース内村航平とともに、代表に返り咲く。「同じタイミングで代表を外れたのは運命かなと思う。今年は倍返しと言わんばかりの1年にしたい」と、誓った。