レスリング・栄監督、初練習前のあいさつで青学・原監督を引き合いに「新しい至学館を」
至学館大のレスリング部が6日、愛知県大府市で今年の初練習を行った。栄和人監督(59)が練習前、東京五輪代表に内定している女子53キロ級の向田真優(22)、同62キロ級の川井友香子(22)、卒業生で57キロ級の東京五輪代表に内定している川井友の姉、梨紗子(25)=ジャパンビバレッジ=らを前にあいさつ。箱根駅伝を圧倒的な強さで制し、王座を奪回した青学大を引き合いに、2020年への思いを口にした。
「本当に選手に罪はない。ああいう(パワーハラスメントの)ことがあって私自身が反省すべき」と話した後、「(箱根駅伝で優勝した青学大の)原監督は、『今年の箱根のチームは弱小チーム、ダメだダメだ』ということで強化をした。“原監督の顔も見たくない”、ということもあったりした。そういう中で厳しい練習をして、結果を残した。『一つになって良かった』というようなことを言っている。選手それぞれの気持ちがある中で、強化というのは難しい。わがままじゃないと勝てないとか、少し生意気じゃないと勝てないとか、それは分かる。だけど、わがままを通り越して、自分勝手、そういう風になったときに、どうやって目をつむって、どういう風に指導していくのか、本当に難しいところ。でも、そこをどうにか理解して、指導していく中で、選手とのいろいろな葛藤があり、評価があり、話せると思う。他の競技にも、そういう指導者と選手との取り組みがある。東京五輪、次の五輪を目指していくためにはある程度の厳しさも必要だし、ある程度の普通じゃ考えられないような練習内容もあるかと思うが、みんなで頑張っていきたい。新しい至学館をスタートしていきたい」と続け、選手に訴えかけるように語りかけた。
栄氏は、女子で五輪4連覇の伊調馨(ALSOK)らに対するパワーハラスメント問題で、18年4月に日本協会の強化本部長を辞任。同年6月には同大学の監督を解任された。もっとも、東京五輪へ向けて選手からの要望があり、栄氏が深く反省して指導への情熱が回復したことを理由とし、昨年11月に監督に復帰。同12月の全日本選手権ではセコンドにもついた。