阿部詩 寝技も着実進化 “伝説の格闘家”中井祐樹氏も太鼓判「技増えている」

 女子代表合宿で、寝技講師の中井祐樹氏(右)から指南を受ける阿部詩
2枚

 柔道女子52キロ級の阿部詩(19)=日体大=が7日、都内で報道陣に公開された女子日本代表の強化合宿に参加した。東京五輪開幕まで200日を切り、まずは来月の欧州大会を経て代表入りを狙う立場だが、「やるしかない。高校1年の頃は手が届かないと思っていたが、だんだん目標の五輪が近づいてきた。自分の力でつかみ取りたい」と気持ちを新たにした。

 この日は、4年連続となる、国内のブラジリアン柔術の第一人者である“伝説の格闘家”中井祐樹氏(49)を特別講師として招いての寝技講習会が実施された。国際大会での立ち技から寝技に移行する“際”のチャンスをいかに確実に仕留めるかが狙いで、相手の担ぎ技の掛け崩れや、相手がカメの体勢からどう攻めるかについて、格闘家および柔術家の視点からの“処方箋”を求めた。

 今回で4度目とあって過去の復習となったり、選手からも具体的なシチュエーションを想定した質問が出るなど活気を帯びた。中井氏は「初年度は『外国選手のこういう技が怖い』とかいう声があったが、徐々に慣れてきて、(具体的な)課題が分かってきて工夫を付け加えようとしている。自分の強いところと課題をよく分かっていること自体が成長の証し」と目を細めた。

 また、阿部とは昨年に引き続きスパーリングも行ったが、中井氏は阿部の攻め手をスルスルとかわし、最終的にはしっかり押さえ込んで貫禄を見せつけた。

 阿部は「つかみ所がない」と脱帽しつつ、「昨年よりは寝技ができるようになった」と手応えを口にした。それに対し、中井氏は「持ち手が増えている印象」とうなずき、「前はなかった掛けるすべや持ち技を持っている。この技が掛からなかったらこれを掛けるという次の技がある。全て成長したと思う」と、攻撃バリエーションの増加に進化を認めた。

 阿部は豪快な立ち技が最大の武器だが、苦手だった寝技も近年強化してきた。昨夏の世界選手権ではリオ五輪女王のケルメンディ(コソボ)と初対戦し、延長戦で押さえ込みに持ち込んで一本勝ち。寝技も武器の一つとして磨いており、「試合でも自信を持って寝技に移行できるようになったのは大きい。最近は寝技が楽しいと思えるようになってきた。相手を投げられない場面で寝技は使えると思う。一つでも(勝てる)チャンスを生かせるように寝技を使えるようにしたい」と強化の方向性に自信を深めた様子だ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス