国母被告「14歳から大麻」懲役3年求刑 反省も「すべて違法とは思っていない」
米国から大麻を密輸したとして大麻取締法違反などの罪に問われた元五輪代表のプロスノーボーダー、国母和宏被告(31)の初公判が8日、東京地裁(村田千香子裁判官)で開かれた。起訴内容を認め、14歳ごろから大麻を使っていたと告白。「反省している」と3回口にした一方で、「大麻に関わることがすべて違法とは思っていない。違法なことはしない」とも述べた。検察側は懲役3年を求刑し、弁護側は刑を軽くするよう求めて結審した。判決は28日。
黒のスーツに黒のネクタイ。袖からはタトゥーがのぞいていた。パーマをかけた短めの髪に、あごと鼻の下にはヒゲが蓄えられていた。調書が読み上げられている際、時折視線を落としながら聞き入っていた国母被告だったが、被告人質問では衝撃の事実が明かされた。
「大麻を使うようになったのはいつごろからか?」との問いかけに「14歳ごろ」と打ち明けた。国母被告は06年トリノ、10年バンクーバーと2大会連続で五輪に出場しており、初めて出たのは17歳のとき。14歳ごろからであれば、トリノのときは大麻を使って約3年が経過していたことになる。
米国やカナダで使用していたといい、幼いころから米国での生活が中心だったものの、英語が話せず、「大麻を一緒に吸うこともコミュニケーションの一つだった」と述べた。違法であることは認識していたものの、「米国での生活が長く、まひしていた」と説明した。
夫人からは数回にわたって『やめてほしい』と指摘されていたものの、「日本ではやめて、海外ではやっていた」と告白。「自分が犯罪者になり、家族が犯罪者の家族になると分かっていてもやめられなかった」と胸の内を明かし、だれから購入したかについては黙秘した。
裁判官から「大麻との関わりをなくすか?」と質問されると「大麻に関わることがすべて違法とは思っていない」と“持論”を展開。さらに「一切やめると考えているか?」と問われると、「大麻を吸うことは日本で違法とされている。そういう違法なことはしない」とも語った。
最後に「今回の件でたくさんの方に迷惑を掛けて、深く反省しています。本当に申し訳ありませんでした。今後はこのようなことのないようにします」などと謝罪した。途中を含めて『反省しています』と3回口にした国母被告。判決は28日に言い渡される。