豊ノ島が20年最初の白星 激励殺到で奮起「周りをドキドキさせる相撲を」

 「大相撲初場所・3日目」(14日、両国国技館)

 元関脇で東十両11枚目のベテラン、豊ノ島(36)=時津風=が美ノ海(木瀬)をはたき込み、初日からの連敗を2で止め、新年初白星を挙げた。

 押し込まれたが、土俵際ヒラリとかわして逆転。「勝ててよかった」と安ど。先場所から10キロ減量した効果がようやく出た。「向こうのいなしに一瞬崩れたけどその後は落ち着いていた。やせて良かった」と、笑みを浮かべた。

 前日の取組後に「肩の力を抜くというのを体が勘違いしている。リラックスが脱力感になっている。考えたくはないけど、それまで勝てていたのが引退前にババババと負ける。そんなゾーンに入って欲しくない」と、弱気に口にした。

 そのコメント後、励ましの連絡が多く来たという。親からは「大丈夫か」と心配された。「自分自身はその先のことを覚悟できている。現役でやっている以上、終わることはある。覚悟はある。そうなりたくはないけど、覚悟の上でやっている。でも周りの声が大きくて。初日、2日目の相撲が情けなかった。勝ち負けより大事なのは自分らしい、周りをドキドキさせる相撲を取らないといけない」と、気持ちを入れ直した。

 十両残留にノルマの6勝へあと5勝。「だらだら連敗するのでなく2連敗で止めたのは大きい」。関取最年長が逆襲態勢はできた。

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