「卓球・全日本選手権」（１９日、丸善インテックアリーナ大阪）

　女子シングルスは初の決勝に挑んだ早田ひな（１９）＝日本生命＝が、準決勝で伊藤美誠（１９）＝スターツ、決勝で石川佳純（２６）＝全農＝の東京五輪代表コンビを撃破し、初優勝。伊藤との女子ダブルスとの２冠を達成した。男子シングルスの宇田幸矢（１８）＝エリートアカデミー＝は決勝で東京五輪代表の張本智和（１６）＝木下グループ＝を破り初優勝。早田と宇田は、３月の世界選手権団体戦（韓国・釜山）の代表に決まった。

　宇田が一気に日本一をつかみ取り、ベンチに入った父の直充コーチと握手した。１９年まで同部屋で寝食を共にした張本の打つコースを読み、サウスポーで繰り出す強烈な両ハンドで猛攻。「生活では後輩だが、選手としては尊敬している」という日本のエースに“下克上”を果たし「今までは上の存在だったが、今回勝てて自信になりました」とうなずいた。

　勝負どころで空回る課題があったが、最近は女子の伊藤美誠のようにプレーを楽しむことを心がけている。「勝ちも意識したが、最後まで自分のプレーをしようと意識した」。五輪経験者の水谷隼、丹羽孝希、吉村真晴と同じく高校生で全日本王者となった。パリ五輪を狙う１８歳は「世界で活躍できるように頑張りたい」と飛躍を誓った。