元豪風の押尾川親方 両親に「お疲れ様と言ってもらいたかった」号泣断髪式
昨年初場所で引退した大相撲の押尾川親方(元関脇豪風)が1日、東京・両国国技館で引退相撲を行い、断髪式では現役時代、戦った横綱白鵬(宮城野)、荒磯親方(元横綱稀勢の里)、同部屋の中村親方(元関脇嘉風)、同郷、秋田出身で元プロ野球・巨人などの石井浩郎衆議院議員ら300人が参加した。
満員の国技館で豪風コールと手拍子が沸き起こり、感無量。師匠の尾車親方(元大関琴風)から、止めばさみを入れられ、大銀杏が落とされると号泣し、何度も目を拭った。
中大の大学生時代以来、まげが無くなり18年ぶりに整髪。短いオールバック姿に生まれ変わり、夫人には「惚(ほ)れ直すなよ」と、照れ笑いした。
興行の最後には満員ファンに引退あいさつ。「(まげを落とし)不全な感じ。乗っかかっているものが乗っかかってない。ちょんまげは18年間の付き合い。体の一部、身内のような存在だった。いなくなったという感じ」としみじみと語った。
そして、やはり号泣。「入門して大反対されて、勝ち越しても、三賞を獲得しても三役に上がっても自分の息子に『綱渡りのような人生を歩んでもらいたくない』と。お父さん、お母さんはこの世にはいないけど、引退した姿を見てもらいたかった。『お疲れ様』とお父さん、お母さんに言ってもらいたかった」。両親の代わりに会場中が「お疲れ様~」と大コールが鳴りやまなかった。