豊ノ島が現役続行 幕下陥落…まな娘「私がお金を貸してあげるから頑張って」に奮起

 大相撲初場所で4勝11敗と負け越し、春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)で幕下へ陥落することが確実な十両豊ノ島(36)=時津風=が1日、現役続行を表明した。「これからやってここでダメなら考える」と、次の場所で進退を懸ける決意だ。

 初場所を6連敗で終え「自分の中ではやり切った」と引き際を示唆していた。だが約1週間、熟慮し多くの人の助言も受け、再び土俵に戻る決断をした。

 「悔いも残ると言えば残っている。千秋楽を終えてやりきったという、あの時はそういう気持ちだった。幕下に落ちて、ここまでやってまたやるのはどうなんだろうと。いろんな人に『辞めようと思う』というようなことを言うと、『やらないかんやろ』、『このままでいいの?』という声が多くて『お疲れ様』というのが少なかった」。本人が思う以上に周りは現役を望む声ばかりだった。

 特に家族は沙帆夫人、7歳の長女希歩ちゃんが現役続行を熱望。18年の九州場所で十両復帰するまで丸2年、給料の出ない幕下生活を送り、豊ノ島は金銭面でこれ以上、家族に負担をかけられない思いがあった。

 「2年も幕下にいたら夫婦で経済的な話も家でするから」。無給になることをまな娘も理解していた。その上で「幕下に下がるとお金がなくなる。私がお金を貸してあげるから頑張ってよ、一生懸命やって。普通のお父さんになるのは嫌」とハッパをかけられた。

 「娘にここまで言われて悔いのない状態で辞めた方がいい。頑張ろうと思った。(春場所で)最後になる覚悟を持って、最後にならないように。夏場所で関取に戻って、娘に金を借りないように」と続行に気持ちは一気に傾いた。

 幕下のころ、自身のお年玉などの貯金に関し、まな娘は「私はいらない。とうと(お父さん)に使って上げて」と言っていた。「それが今は貸すだったからね」と、たくましく!?育ったにパパも苦笑いする。

 初場所は家族に最後の勇姿を見せることができなかったのも悔い。「勝てないかも、(十両に)上がれないかもしれないけど、18年間やって自分のわがままで上がりたい。最後と決めた相撲もまだ見せてやれていなので。出てもう1回強い男になろうと思う」。

 初場所限りで引退した元大関豪栄道の武隈親方の潔い引き際もいいが、これも男・豊ノ島の生きざま。退路を断ち、36歳が最後の力をふりしぼる。

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