ジョコビッチ全豪8度目のV 主審に食ってかかる一幕も フルセットで勝負強さ見せる
「全豪オープンテニス」(2日・メルボルン)
男子シングルス決勝戦が行われ、世界ランク2位のノバク・ジョコビッチ(32)=セルビア=が、同5位のドミニク・ティエム(26)=オーストリア=と対戦。フルセットにもつれ込む熱戦は6-4、4-6、2-6、6-3、6-4で制して、全豪連覇&史上最多の8回目の優勝を飾った。
4時間の熱戦を終えた瞬間、ジョコビッチは両手を広げて観客にアピール。そして大声で何かを叫んだ。苦しみながらつかんだ勝利。最終セットは自らを鼓舞するかのように、ポイントを挙げるたびに、何度も右拳を握り締めて小さなガッツポーズを作った。厳しい戦いを終えて、笑顔。リストバンドやウエアを観客席に投げ込んだ。
第1セットを6-4で奪ったジョコビッチがペースを乱したのは、第2セット、4-4で迎えた第9ゲームだった。15-30の場面。第1サービスを放つまでの時間が規定の20秒を超えたとしてタイムバイオレーションの反則を宣告される。第1サービスがフォールトの扱いとなった。続く15-40の場面でも2回連続で同じ反則をとられた。このゲームをブレークされると、主審に激しい口調で食ってかかった。第10ゲームはキープを許し、第2セットは4-6で失った。
勢いを失ったまま第3セットは第1、3ゲームでブレークされ、簡単に2-6で落とした。勝負強さを見せたのは第4セット。お互いにキープを続けて迎えた第8ゲームでブレーク。6-3とし、タイに持ち込んだ。
勝負の第5セット。平静を取り戻したジョコビッチに、主審にクレームをつけた険しい表情は消えていた。第3ゲームでブレークして優位に立つ。その後はお互いキープを続けて、第10ゲームに試合は終わった。
難敵だった。過去の対戦成績はジョコビッチの6勝4敗だが、ここ2年間では1勝3敗。昨年のATPファイナルズと全仏オープン準決勝で敗れている相手だった。全豪では過去準決勝、決勝は無敗の強さを誇る。苦しみながら、最後は得意の舞台で輝いた。
ティエムは4大大会は18、19年と全仏で決勝進出を果たしたが、ともにナダル(スペイン)に敗れて準優勝。今大会は準々決勝でナダルを撃破し、4大大会3度目の決勝の舞台に立った。鋭いサーブと強烈なフォアハンドを武器に健闘したが、あと一歩及ばなかった。