国枝&上地が男女アベックV スイング改造恐れず…勝因は変化への対応
「テニス・全豪オープン」(2日、メルボルン)
車いすの部で男子シングルスで国枝慎吾(35)=ユニクロ=が2年ぶり10度目、女子シングルスで上地結衣(25)=三井住友銀行=が3年ぶり2度目の優勝を果たした。国枝は現行の四大大会で通算23個目、上地は通算7個目のタイトル。四大大会で同時制覇は18年全仏オープン以来となり、東京パラリンピックのシーズンで好発進となった。男子シングルス決勝は第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第5シードのドミニク・ティエム(オーストリア)を下し、2年連続で自身が持つ最多優勝回数を更新する全豪8度目、四大大会では通算17勝目を飾った。
国枝はパワー化が進む車いすテニスに対応するため、19年後半から両ハンドのショットを改良したことが結実した。21日に36歳になるが「年々自分のテニスが良くなっている。37になっても40になっても今がベストと言えるように努力を怠らずにやっていく」と、王者は力強かった。
直線的な強い球を打てるようになり、28歳のリードが放つ強打に負けず、それ以上の力で打ち返した。第1セットは1-4、第2セットも1-3から巻き返した。9回以上のロングラリーは9度のうち8度もものにし、しぶとさでも上回った。
スイングの改造はけがのリスクも伴うが「年を重ねて経験と知識が増え、アイデアが豊富なのが若い時との違い」と言い、引き出しの多さも若手にはない武器だ。シーズン初めに東京パラリンピックに向けた取り組みに手応えを得て「変化を恐れずにやってきた成果」と誇った。