「ＮＦＬ・スーパーボウル、チーフス３１－２０フォーティナイナーズ」（２日、マイアミ）

　アメリカン・カンファレンス（ＡＦＣ）王者チーフスがナショナル・カンファレンス（ＮＦＣ）王者フォーティナイナーズ（４９ｅｒｓ）に３１－２０で勝ち、ＮＦＬ１００周年のシーズンに５０季ぶり２度目の頂点に立った。最終第４クオーター（Ｑ）中盤まで１０－２０という劣勢から、ＱＢパトリック・マホームズ（２４）の２ＴＤパスで残り２分４４秒に逆転する劇的勝利だった。大会ＭＶＰはマホームズがＱＢとして最年少で受賞した。

　祝砲のように力いっぱい放ったマホームズのパスが、宙にある間に残り時間が「０」を指す。ＱＢを中心に、あっという間に歓喜の輪ができた。初制覇から５０年。赤い古豪の、屈辱の黒歴史を塗り替えたのは、２４歳のスーパースターだった。

　「小さなころから、この瞬間を夢見ていた。本当に歴史的なことだ。チームメートと、この勝利を長く分かち合いたい」

　４９ｅｒｓが誇るＮＦＬ最強守備陣「フロント４」に猛烈なプレッシャーをかけられ、２インターセプト、１ファンブルと苦しんだ。真価を発揮するときは１０点を追う第４Ｑにやってきた。残り６分１３秒でＴＥケルシーにＴＤパスを通すと、同２分４４秒ではＲＢウィリアムズに逆転のＴＤパス。守備に肉薄されても動じず、時に体に手をかけられても振りほどいてパスを通した。

　「チームのみんなが俺を信じてくれ、自信を与えてくれた。戦い続けた結果、最後に勝つことができた」

　２４歳１３８日でのスーパーボウル勝利は、先発ＱＢとして史上最年少。北米スポーツ史にその名を刻み込み、ＮＦＬの新たなキングとなった。