柔道の鍋倉那美、逆転五輪切符へ闘志「背水の陣でやるだけ」最強世界女王から連勝狙う

 柔道女子63キロ級で逆転での東京五輪切符を狙う18年アジア大会女王の鍋倉那美(22)=三井住友海上=が4日、代表選考会を兼ねる国際大会グランドスラム(GS)・パリ大会(8~9日、フランス)への出発前に羽田空港で取材に応じ「失うものはない。背水の陣でやるだけ」と闘志を燃やした。

 同階級では、リオ五輪代表で18、19年世界選手権銀メダルの田代未来(25)=コマツ=が代表候補1番手でリードしている。ただ、鍋倉も昨年末のワールドマスターズで世界選手権3連覇中のアグベニェヌ(フランス)から大金星を挙げて優勝したことで急浮上。今大会にも最強の世界女王がエントリーしており、もし2連勝となれば大きなインパクトとなるだけに「相手の陣地(フランス)で、相手が本気の状況で戦えるのは楽しみ」と千載一遇のビッグチャンスに胸を高鳴らせた。

 本来は得意技の内股を主軸にしていたが、前回のアグベニェヌ戦では担ぎ技をたたみかける新機軸のスタイルで戦い、延長戦での一本背負いで技ありを奪い決着をつけた。ただ、女王相手に同じ手は通用しないと覚悟しているようで「今回はあまり担ぎ技には頼らず、相手もいろいろ考えてきていると思うので、幅広く攻めて相手が嫌がる柔道をしたい」と鍋倉。背水の立場だが、「結果は意識しすぎず、目の前の相手1人1人全員を倒すことだけを考えて戦う」と落ち着き払った様子で出陣した。

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