逆転五輪狙う柔道・影浦心、絶対王者リネールからの金星に懸ける「その1点しかない」
柔道男子100キロ超級で逆転での東京五輪代表を狙う影浦心(24)=日本中央競馬会=が5日、代表選考会を兼ねるグランドスラム(GS)パリ大会(8~9日)への出発前に成田空港で取材に応じた。今大会には五輪2連覇の“絶対王者”テディ・リネール(フランス)も現時点でエントリーしており「(代表争いで)逆転は難しいが、リネール選手に勝って大きなアピールをしたら(選考は)まだもつれるかな」と最後のチャンスに全てを懸ける。
今月の欧州2大会で代表争いに決着がつく可能性も高いだけに、大金星をテコに待ったを掛けるしかない。影浦は現在、代表候補1番手の原沢久喜(百五銀行)とは差をつけられており崖っぷちの立場。ただ優勝するだけでは追いつくことが難しい状況だが、原沢が過去0勝2敗で、国際大会152連勝中のリネールに勝てば一石を投じることができるだけに「(逆転するには)その1点しかない。リネール選手と当たるまでは絶対負けないこと、当たったらやってきたことを出して勝ちにいきたい」と闘志を燃やした。
絶対王者とは昨年10月のGSブラジリア大会で初対戦。影浦は得意の担ぎ技と足技で攻めて相手を腹ばいにはさせたもののポイントは奪えず、逆に延長戦で払い腰による技ありを奪われて苦杯を喫した。リネールが苦手としている左組み、担ぎ技の使い手とあって勝機がないわけではない。「(前回)手応えも感じたが、まだまだ差があるというのが正直なところ。研究もしてきたので、今回どれだけできるか楽しみ」と腕をぶした。