世界陸連がシューズ規制再強化を示唆 利点突出の場合 英紙報道 新厚底も対象?
米スポーツ用品大手のナイキが開発した陸上長距離界で男女マラソンの世界記録更新など好タイムが続出している厚底シューズを巡り、1月31日にシューズに関する規制を発表した世界陸連は7日、今後の調査で1つのシューズの利点が大きすぎると判断した場合、規制を強化する可能性を示した。英紙「ガーディアン」が伝えた。
同紙によると、世界陸連の広報担当者は年末までに報告書を出す予定の大規模なプロジェクトが、1つの靴が持つ利点が大きすぎると判断した場合、規制が強化される可能性を示したという。「その調査の過程で、特定の靴が市場に出回っている他の靴に比べてあまりにも多くのエネルギーリターンを与えていることがわかった場合、たとえば、私たちは再び規制を検討します」という談話を掲載した。世界陸連はシューズの新ルールを発表した際、「近年のシューズテクノロジーの発展により、スポーツの完全性が脅かされる可能性があるという懸念について十分な証拠があると結論付けた」と、表明。今後は新たなワーキンググループを設立し、市場に参入する新たなシューズを調査、監視していくことを発表している。
ナイキは新ルール発表からわずか1週間で、厚底靴の次世代モデルである「アルファフライ」を発表。同モデルの靴底の厚さは39・5ミリで、カーボンプレートは1枚。世界陸連のシューズ規則に適応していると主張している。「ガーディアン」によると、発売される「アルファフライ」を履いた関係者は「とてつもなく速い。ほんの少しの努力で、通常の靴より前に進む」と話しており、同紙は「従来モデルはランニング効率を4~5%改善するが、アルファフライは7~8%の価値があるかもしれない」としている。
新厚底靴は、東京五輪代表選考を兼ねる3月1日の東京マラソンや、米国の五輪代表選考会、ロンドンマラソンなどで多くの有力選手が履くとみられ、そのパフォーマンスが注目される。