飛び込み・金戸凜が決勝進出 夢の親子3代五輪出場へ「落ちついて」
「飛び込み・国際大会派遣選手選考会」(7日、東京辰巳国際水泳場)
女子板飛び込み準決勝で、親子3代での五輪出場を目指す金戸凜(16)=セントラルスポーツ=は269・45点の4位で決勝に進出し、望みをつないだ。東京五輪代表に決まっている三上紗也可(米子DC)が290・80点で1位突破。男子高飛び込み準決勝は、西田玲雄(近大)が426・70点でトップに立ち、13歳の玉井陸斗(JSS宝塚)は422・05点の2位で決勝に進んだ。
祖父母、父母が五輪経験者という“飛び込み一家”の系譜を継ぐ16歳が3代五輪へ望みをつないだ。金戸凜は準決勝は予選から得点を落としたものの、4位で決勝に進出。ミスもあり「まだまだ」と首を横に振ったが、「練習ではもっといい演技ができている。決勝でベストを出せれば」と巻き返しを誓った。
「この試合で負けたらどうしよう」「今年はもう試合に出られない」と大一番を前にナーバスになっていたが、頼りになるのは一番身近にいるオリンピアン。ネガティブな考えばかりが頭を支配したが、相談した母・幸さんからは「先のことより、今目の前にある試合の方が大事」と諭され、我に返った。
主戦場は高飛び込みだったが、19年9月に右肩を亜脱臼。今も慢性的な痛みを抱えているため思い入れの強い種目を断腸の思いで回避し、失意をかみ殺して板飛び込みに懸けた。9日の決勝で結果を残せば五輪出場権が懸かるW杯東京大会(4月)に駒を進めることができる。「体は動けていた。落ち着いて周りの空気に流されないように」。一家の夢を背負って1本に集中する。