テコンドー浜田が3大会連続五輪 股関節手術乗り越え…武士道トレで復活

 「テコンドー・東京五輪代表最終選考会」(9日、桑原学園体育館)

 男女各2階級で行われ、女子57キロ級は浜田真由(26)=ミキハウス=が優勝し、ロンドン、リオデジャネイロに続いて3大会連続の五輪代表を決めた。同49キロ級は山田美諭(26)=城北信用金庫=が制し、初の五輪切符を獲得。男子58キロ級は日本人の父とボリビア人の母を持つ鈴木セルヒオ(25)=東京書籍=が優勝し、同68キロ級を制した弟リカルド(19)=大東大=と兄弟での五輪代表を決めた。

 3大会連続での五輪を決めた浜田だったが「ふがいない」と表情は浮かなかった。19年2月に股関節を手術し、本格的な練習を再開したのは11月。1年ぶりの実戦復帰が大一番とあって本来の動きができず「ロンドン、リオの時よりも五輪だという実感が湧かない」と首をひねった。

 ただ、男子68キロ級の決勝で敗れ、あと少しで五輪を逃した兄康弘の涙を見てもらい泣きし「(兄の悔しい)思いを持ちながらやりたい」と決意を示した。

 リハビリをしている間も勝負師としての精神を研ぎ澄ませた。指導を受ける古賀コーチのすすめで、古武術の流れをくむ指導者の下で稽古を敢行。「切られたら死ぬ」という極限の集中力を磨くほか、「水」をイメージして引力を使わない動きなどを反復した。

 このトレーニングの源流にもなった宮本武蔵の「五輪の書」の読破にも挑戦したというが、「難しくて読めなかった」と苦笑い。ただ、オリンピックの和訳の基にもなった武士道精神にヒントを得て3度目の“五輪”に挑む。

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