飛び込み・13歳玉井が圧倒V 男子最年少の五輪出場へ前進「年齢気にせず堂々と」

 「飛び込み・国際大会派遣選手選考会」(9日、東京辰巳国際水泳場)

 男子高飛び込みは、日本男子史上最年少の五輪出場がかかる13歳の玉井陸斗(JSS宝塚)が458・05点で1位となり、東京五輪最終予選を兼ねたW杯東京大会(4月21~26日、アクアティクスセンター)の代表入りを確実にし、五輪代表へ前進した。女子板飛び込みで親子3代での五輪代表入りを目指す金戸凜(16)=セントラルスポーツ=は4位にとどまり、五輪出場は絶望的。東京五輪代表の三上紗也可(米子DC)が1位となった。

 重いはずの扉を、13歳は簡単にこじ開けてしまった。ラストの後ろ宙返り2回半2回半ひねりえび型、玉井は水しぶきを立てないノースプラッシュで91・80点をたたき出すと、ガッツポーズ。1位で確実にしたW杯代表。圧倒的な力で東京への道を切り開いた。

 「ちょっとひやひやした場面もあったけど、最後に決められて達成感がある。W杯の切符を手に入れてうれしい」

 2回目の後ろ宙返り3回半抱え型で入水が乱れ、順位を5番目に落とした。2位以内に与えられるW杯の代表権。立ち込める暗雲を、5回目の前逆宙返り3回半抱え型で振り払い、81・60点でトップへ躍り出た。あとは一番得意な演技で締めくくるだけで良かった。

 「失敗は忘れようと思っている。年齢は気にせず、大学生たちと同じように堂々としていけるように」。史上最年少優勝を果たした昨年4月の日本室内選手権では、極度の緊張感から決勝前に泣きだしたほど。147センチ、41キロの小さな体は、1年で精神的な成長を遂げていた。

 18位以内で五輪出場権を手にするW杯。指導する馬淵崇英コーチは「500点はいける」と予測した。500点は昨年の世界選手権では4位に相当。特徴でもある回転の速さを武器に、まずは確実に東京の切符をつかみにいく。

 五輪について、玉井は「世界のトップ選手が争う場所。安定した演技をしないとたどりつけない」と冷静に分析する。日本男子史上最年少の五輪出場がかかるW杯。2カ月後、今度は日本の五輪史を塗り替えにかかる。

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