萩野公介、タイム伸びず2位も光「一水泳選手としてやれた」 標準記録1秒25届かず
「競泳・コナミオープン」(16日、東京辰巳国際水泳場)
男子200メートル個人メドレーは、16年リオデジャネイロ五輪400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(25)=ブリヂストン=が1分59秒23で2位に終わった。東京五輪の派遣標準記録(1分57秒98)まで1秒25届かない記録だった。優勝は1分59秒11の宮本一平(スウィン大宮)。男子100メートル平泳ぎは、昨夏の世界選手権個人メドレー2冠の瀬戸大也(25)=ANA=が、専門外ながら59秒93で優勝した。
手放しで喜べるようなタイムでは決してない。悔しさもふがいなさも、もちろんある。それでも萩野はどこか吹っ切れたような表情を浮かべ、言葉を選びながらこう言った。
「色んな人に怒られちゃうかもしれない、この時期に何言ってるんだと言われるかもしれないけど、1本全力で集中して泳いで。望む結果ではなかったけど、一水泳選手としてやれたかなと思う」
序盤はリードを奪うも、平泳ぎで先頭を譲る。最後の自由形までデットヒートを繰り広げながら、タッチの差で競り負けた。
15日の400メートル個人メドレー決勝では「(試合前に)怖くなってしまった」。戦う以前にすでに負けていた。しかし「今日は怖さはなかった」と萩野。目の前の勝負と真正面から向き合ったからこそ、敗戦の中にも光を見いだそうと思えている。
代表選考会となる4月の日本選手権へ、派遣標準記録までまだ差はあるが「4月に代表を決めることを第一にやっていきたい」。200メートルに絞って練習するのか、400メートルでも引き続き五輪を目指すのかの方針については「平井先生と相談したい」としたが、200メートルの強化のためにも「長い距離の練習は必要だと思う」とだけ語った。あと1カ月半。下を向いている時間はもうない。