阿部詩、五輪王手も“邪念”封印「勝ち切ること頭に置く」因縁相手と再戦も
柔道の東京五輪代表選考会の一つであるグランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会(21~23日、ドイツ)に出場する女子52キロ級世界女王の阿部詩(19)=日体大=が17日、現地への出発前に成田空港で取材に応じた。今回優勝すれば、大会後の27日にも五輪代表に決まる可能性が高いが、「あまりそのことは考えず、自分の柔道をしっかりして勝ち切ることを頭に置いて挑みたい」と“邪念”をシャットアウトした。
昨年は世界選手権で2連覇を達成したが、五輪切符に王手を懸けて臨んだ11月のGS大阪大会では、決勝で現世界ランク1位のブシャール(フランス)に肩車で投げられ、涙をのんだ。徹底的に研究、対策されて自分の間合いをつくれなかったことに加え、優勝すれば代表内定という“欲”がちらついたことも敗因の一要素だった。
これが海外選手に対する初の黒星でもあり、五輪に向けて気を引き締め直す上で糧になった。「(GS大阪の)決勝の試合は何回も見て、前回の課題はしっかり練習した」。今大会にも因縁の相手がエントリーしている。「当たったら前のリベンジでしっかり勝ちたい」と雪辱を誓った。